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保護中: 【入門編】VB.NETとは?VB.NETの特長とメリット

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目次

    はじめに

    VB.NET (ブイ・ビードットネット)とはマイクロソフトが開発したオブジェクト指向言語です。

    正式名は Visual Basic.NET (ビジュアルベーシックドットネット)であり、同じくマイクロソフトが開発したプログラミング言語である VB ( Visual Basic )の後続として、マイクロソフト製品を中心に広く採用されています。

    今回は VB.NET の特長や将来性、VB.NET でできることについてご紹介いたします。これからITエンジニアの需要が高まっていく中で、どのようなキャリアを形成していくのか、スキルを身に着けていくのかを見極めることが大切です。また自身のやりたい仕事や目指す仕事は何か、将来あるべき姿に近づくために何が必要なのかを明確にするために、VB.NET の特長をご紹介します。

    VB.NET とは

    まずは、VB.NETという言語そのものや、VBとの違いについて紹介します。

    1. VB.NETとは
    2. .NETとは
    3. VBとVB.NETの違いとは
    1. VB.NETとは

      VB.NETはマイクロソフト社が開発したVisual Basic言語の進化版であり、2002年にはじめてリリースされたプログラミング言語です。VB.NETは、.NET(ドットネット)というマイクロソフト社が開発したアプリケーション開発のためのプラットフォームと密接に統合されています。そのためWindowsやMac OSなど様々なプラットフォームでの開発が可能です。

      VB.NETは、アプリケーションを開発するための機能セットを数多く提供しているため、Webアプリケーション、デスクトップアプリケーション、およびモバイルアプリケーションなど、さまざまな用途で使用されています。

      なお前身のVB6.0以前のバージョンと互換性はなく、VB6.0は2008年にサポートが終了しているため、VB6.0からVB.NETへの移行が推奨されています。

    2. .NETとは

      .NET(ドットネット)は、マイクロソフト社によって開発されたソフトウェアフレームワークです。正式名称はMicrosoft .NET Framework(マイクロソフト ドットネット フレームワーク)であり、.NETという言葉はMicrosoft .NET Frameworkというアプリケーション、またはその開発環境を指します。

      .NETはさまざまな種類のアプリケーションを構築するための、無料で使えるオープンソース開発者用プラットフォームです。Windows系のシステム開発に使われることが多く、業務効率化のためのシステムや自動化システムなどの開発に適したフレームワークといえます。C#、Visual Basic、C++、F#などの複数のプログラミング言語に対応しているので、拡張性が高いというメリットもあります。さらに、.NETはマルチプラットフォーム対応であり、WindowsだけでなくMac OSやAndroidなど、ほかのオペレーティングシステムでも実行することが可能です。

    3. VBとVB.NETの違いとは

      シンプルにいえば「バージョンの違い」とまとめることができますが、大きく分けて2つの違いがあります。

      1つ目の違いは、.NET環境に対応しているかどうかです。

      VB(ビジュアルベーシック)は1991年にマイクロソフト社よりリリースされたプログラミング言語です。統合開発環境であるVisual Studioに組み込まれ、現在も様々なアプリケーション開発に利用されています。

      VBは開発以降、1998年のver.6.0までアップデートが続けられました。そして、2002年に.NETに対応したバージョンとして、VB.NETが発表されました。Visual Studio内ではVBという呼称に統一されていますが、ver.6.0以前とは後方互換性がありません。従来のVBコードを動作させるにはコードの修正が必要になります。そのため、ver.6.0までがVB、それ以降がVB.NETといえます。

      2つ目の違いは、プログラミングのスタイルです。

      VBは構造化プログラミングを採用しているのに対して、VB.NETはオブジェクト指向に対応しています。オブジェクト指向とは、プログラムを構成する要素を「オブジェクト」として扱い、それらが相互作用することでプログラムが動作するスタイルのことです。

      なお、VB.NETは2005年に名称が変更され、現在では単にVisual Basicと呼ばれています。そのため、現在において、VBという単語はVB.NETを指していると考えて差し支えないと考えられます。

    VB.NETの特長



    元となっているVisual Basicの基本構文が英語に近い自然言語に基づいているため、VB.NETはプログラミング初心者にとって覚えやすい言語といえます。

    ここではVB.NETの特長を3点紹介します。

    1. 特長1:自然言語のように扱える
    2. 特長2:画面を使ったアプリが簡単に作れる
    3. 特長3:無料で使える
    1. 特長1:自然言語のように扱える

      1つ目の特長は、自然言語のように扱えることです。

      VB.NETの前身であるVisual Basicは、BASICというプログラミング言語から派生しています。BASIC言語は、それぞれのプログラムを初めから順に処理していく手続き型プログラミング言語です。処理を順番どおりに記述すれば良いため、初心者でも使いやすいという特長があります。

      また、VB.NETは他のプログラミング言語でよく使われる「構文終了点のセミコロン(;)」「if文のカッコ()」が不要です。コーディングの手間が少なく扱いやすい言語となっていることも特長です。

    2. 特長2:画面を使ったアプリが簡単に作れる

      2つ目の特長は、画面を使ったアプリケーションが簡単に作れることです。

      VB.NETはツールボックスから、GUIパーツをマウスで配置していくスタイルになっているため、ソースコードを記述することなく簡単に画面を作ることができます。ドラッグ&ドロップするだけで操作できるため、ソースコードに慣れていない初心者でも、十分チャレンジしやすいプログラミング言語です。

      また、デザインについて試行錯誤する必要がないため、機能を作ることに集中できることも特長です。

    3. 特長3:無料で使える

      3つ目の特長は、無料で使えることです。

      VB.NETは、無料で開発環境の構築ができます。マイクロソフト社が開発しているVisual Studioをダウンロードしてインストールすれば、簡単にVB.NETを使用することができます。

      VB.NETの需要と将来性

      初心者でも活用しやすく、マルチプラットフォーム開発が可能なことから、VB.NETはこれからも使用されていくことが考えられます。しかしながら、最新の開発トレンドを踏まえると将来性がないと言われることも少なくありません。

      ここではVB.NETの需要や将来性について紹介します。

      1. VB.NETの需要
      2. VB.NETの将来性
        1. VB.NETの需要

          プログラミング言語の人気ランキングを発表しているTIOBEによれば、2024年1月現在VB.NETは8位となっています。前身であるVBと合わせて、常に上位にランクインしており、根強い人気のあるプログラミング言語といえます。


          引用:TIOBE Index | TIOBE – The Software Quality Company https://www.tiobe.com/tiobe-index/

          また、40億件以上の求人ビッグデータを保有する株式会社フロッグの調査によると、2016年から2020年までの5年間で、VB.NETの求人数は右肩上がりに伸びています。

          引用:株式会社フロッグ|note:5年分の求人ビッグデータから読み解く プログラミング言語トレンド【2021年版】https://note.com/datist/n/n116bdb6f0c59

          一方で、給与金額は450~470万円台と決して高額ではなく、他言語と比較して低い傾向が見受けられます。

          引用:株式会社フロッグ|note:5年分の求人ビッグデータから読み解く プログラミング言語トレンド【2021年版】https://note.com/datist/n/n116bdb6f0c59

          以上から、VB.NETは今後も一定の需要は見込まれるものの、プログラミング言語としての価値は相対的に低いことがわかります。

          VB.NETが発表されて以降20年間で後発のプログラミング言語が次々登場しています。VB.NETでしかできないこともあるとはいえ、フレームワークなど他言語での代替手段が確立されたこともあり、VB.NETの需要は減少する可能性もあります。これからVB.NETを学ぶ場合、自身のやりたい仕事や目指す仕事によっては他の言語も同時に学習する必要があるといえます。

        2. VB.NETの将来性

          VB.NETの将来性は、他のプログラミング言語やフレームワークの台頭により相対的に低下しているといえます。実際、新規の開発でVB.NETが採用される場面は少なくなりました。

          そのため、VB.NETが求められるフィールドは保守や改修がメインになります。これまでVB.NETはWindowsをベースにした業務システムやアプリケーションの開発で使用されてきました。業務システムは先進性よりも実績や安定性が重要視される傾向があるため、安定稼働の実績を持つシステムの中身を大幅に入れ替えることは多くありません。基本的に一度開発されたシステムを保守・改修を加えながら使い続けます。こうした傾向は、保険、金融、官公庁などに多く見受けられます。このようなシステムがある限り、保守や改修の案件が発生するため、VB.NETのエンジニアの需要はなくならないといえます。

          しかしながら、仕事内容の関係上、新しい技術や先端的な開発に関わる機会が限られてしまいます。VB.NETに依存するのではなく、文法が似ていて人気の高いC#や、VB.NETと共に使用されることの多いJavaScriptなども合わせて習得することで、より安定したキャリアを築くことができるでしょう。

      VB.NETが活用できる仕事

      VB.NETは、プログラミングの容易さや.NETへの対応から、様々な場面で採用されています。

      マルチプラットフォーム開発が可能な言語ですが、マイクロソフト社によって開発されたプログラミング言語のため、Windows関連のアプリケーション開発に採用されることも特長といえます。

      VB.NETを活用した仕事は、主に3つに分類されます。その内訳は、アプリケーション開発、UWPアプリ開発、ゲーム開発の3つです。

      以下のコラムで詳しく紹介しています。
      https://www.igroove.co.jp/column/964/

      まとめ

      本コラムでは、VB.NET の特長や将来性、VB.NET でできることについてご紹介しました。

      VB.NETは、主にWindows向けアプリケーションの開発で使用される言語です。初心者でも習得しやすい言語にもかかわらず、マルチプラットフォーム、UWPアプリ開発など、活躍の場の広い言語といえます。

      後発のプログラミング言語が次々登場した関係上、VB.NETの需要は減少傾向にありますが、VB.NETで書かれたプログラムが数多くあることから、保守や改修の需要は根強いと考えられます。

      自身の将来のエンジニア像、ありたい姿を描きながら、どのような仕事をしていきたいかやどのスキルを身に付けなくてはならないかを見極め、自分らしいキャリアを積んでいきましょう。

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